お遍路では毎日30kmほど歩くため、足にかかる負担は大きくなります。そのため、多くのお遍路さんは足にマメができて苦痛を抱えて歩くことになります。
そもそも、マメは皮膚に摩擦が加わることで水ぶくれができた状態を言います。摩擦に対して体が防衛反応を起こしているためマメができます。
通常であれば、マメは潰さずにガーゼとテーピングで保護すべきです。マメを潰すと、傷口から細菌が侵入して炎症を起こしたり化膿したりする恐れがあるためです。治癒するまで1週間程度かかりますが安全です。
お遍路中でも足が痛いなどの不調を感じた場合、タクシーなどを利用してお遍路を中断する方法が最も安全です。ただ、計画によって途中棄権が困難な場合もあるのでマメの応急処置法を説明します。
マメができた状態で歩き続けるのであれば、早めに治療をしましょう。マメがある状態で歩き続けるとマメが大きくなり、痛みの範囲も拡大するからです。
マメの治療法
マメと針の消毒
オキシドールなどの消毒液で患部と針を消毒します。納経の時に使うライターがあれば針先をあぶることで殺菌効果が期待できます。
針で皮膚に穴をあけるため、細菌が侵入することで起きる感染症の危険性が高まります。そのため、衛生面に気を付けなければなりません。
特に、土が傷口に付着している場合は細菌感染の危険性が高まります。土壌中には多くの細菌が生息しており、特に破傷風菌は消毒液や熱では死滅しないことがあります。
マメを潰すのであれば必ず清潔に行いましょう。
マメを潰して水をすべて出す
水ぶくれの部位を針で刺し、中に入っている水を全て抜き出します。針で刺すときは水ぶくれの薄い皮膚のみを刺します。薄い表皮だけを刺すと出血はありませんが、深く刺すと出血するので要注意です。
マメに穴をあけて水を抜き出す際は、必ずすべての水を出してください。中途半端に残っていると患部が不安定なため悪化しやすくなります。
このとき、薄い皮は剥かずに残しておきましょう。治癒が早まります。
再び患部を消毒
表皮は我々の体と外界とのバリアーとしての役割があります。そのため、表皮に穴をあけるとそこから細菌が侵入しやすくなります。そのため、患部を消毒液で清潔にします。
テーピングを行う
最後は患部をテーピングします。このとき、なるべく広い範囲をテーピングするとよいです。なぜなら、患部に加わる衝撃や摩擦を軽減できるからです。
荷物に絆創膏、ガーゼ、プロテクティブパッド、湿布などがあれば活用できますが、傷口に摩擦がかからないようにしっかり固定することが重要です。