歩き遍路をする人が最も困る問題の一つに足にマメができることがあります。マメができると歩くたびに痛みが走ります。また、マメが潰れて雑菌が皮膚に侵入して重症化する危険性もあります。
また、マメができた状態で歩き続けると、痛みをかばう歩き方をするので別の部位に負担がかかります。すると関節を痛めやすくなったり、逆の足にマメができたりしやすくなります。
お遍路中はマメができてから後悔しないように事前に対策を取っておく必要があります。

足にマメができる原因

 
マメは摩擦でできる
マメは皮膚に摩擦が加わることでできます。摩擦が加わる場所にできた水ぶくれがマメの正体です。
マメは摩擦が大きくなる条件で発症しやすくなります。マメができやすくなり要因としては次のようなことがあります。
・サイズの合わない靴を履く
・靴の硬さ
・靴の中の湿気
・荷物の重量
など
靴が原因でマメができる
サイズの合わない靴を履くと、マメができやすくなります。サイズの小さい靴の場合は指先に負担が大きくなり、サイズの大きい靴の場合は足の裏がよく擦れます。
靴の中の湿気
靴の中に湿気があると皮膚にかかる摩擦が大きくなります。靴の中で水分が滑り止めの役割を果たすためです。また、湿気があると皮膚がふやけて柔らかくなります。これもマメの原因となります。そのため雨の日や暑い日は靴が蒸れてマメができやすくなります
重い荷物ほどマメができやすい
モノを引っ張るとき、摩擦力の大きさはモノの質量に比例して大きくなります。つまり、重い荷物を持っているお遍路さんほどマメができやすいと考えられます。

足のマメの予防法

1.靴の性能
マメ予防の観点では次の3点がポイントとなります。
・透湿性
・軽い靴
・柔らかい靴
靴の中の湿気が多いと皮膚に対する摩擦が大きくなりマメができやすくなります。そのため、メッシュ構造などがあり透湿性の高い靴はマメの予防になります。靴内部の湿気を逃がしやすい靴は透湿性の高い靴と言えます。
一方、防水性の高い靴は水の親友を防ぐ代わりに湿気の発散も防ぐために靴が蒸れてきます。するとマメができやすくなります。
重い靴や固い靴は岩場での怪我防止などに役立ちますが、マメ予防の観点ではマイナスポイントになります。
軽く柔らかい靴を選択すれば、足にかかる負担を減らすことができるのでマメを予防できます。このような条件を満たす靴は少々値段が高くなりますが、40日も歩けば必ず元が取れます。
2.五本指の靴下

 

靴下は五本指の靴下がおすすめです。1本ずつ指先が固定されているため靴下と指の摩擦を減らすことができます。
3.金剛杖
金剛杖を上手に使いましょう。金剛杖なしで歩いていると全体重は2本の足の裏にかかりますが、金剛杖をついて歩いていると重量が杖に分散します。
金剛杖の効果は数km歩いただけでは全く現れませんが、毎日30kmほど歩くお遍路では後々になって金剛杖の効果が表れてきます。
4.休憩時は靴を脱ぐ
歩き続けていれば、足に負担が蓄積していきます。そのため定期的に休憩を取り、そのたびに靴を脱いで足を休めましょう。同時に湿気を逃がすことにもなります。
5.雨の日や暑い日は無理しない
湿気はマメのリスクとなります。そのため雨の日や暑い日は靴の中が蒸れてマメができやすい状態になります。そのため、雨の日、暑い日は軽い計画にするよう心がけましょう。雨の日は事故予防、暑い日は熱中症予防などにもなります。
6.テーピング
マメができそうな場所にあらかじめテーピングをする方法もあります。テーピングはマメができる前に行います。
足の裏やかかとなど靴との摩擦が多い場所にしっかりとテーピングをすれば皮膚との摩擦が減り、マメの予防になります。