四国八十八ヶ所、お遍路の旅に行きたいと考える人は多くいます。そのため、日本各地からバスツアーやタクシーツアーが企画され、多くの人が四国を訪れます。お遍路には次のような手段がありますが、バスツアーでお遍路をする人が最も多いことが知られています。

・バスツアー
・タクシーツアー
・自家用車、レンタカー
・自転車
・徒歩

私は徒歩、バスツアー、自家用車でお遍路をした経験があります。その経験から、お遍路をツアーで参加する魅力、楽しさ、面白さを紹介します。

計画を立てなくてもよい

個人でお遍路をするのは、とても手間がかかります。全ての計画を立てる必要があるためです。移動手段の確保、宿の確保、食事などすべて自分で決めなければなりません。

お遍路では宿の確保が難しいです。四国は人口が少なく、過疎化が進んだ地域が多くあります。そのため、宿泊所の数も少ないです。現地で宿を予約しようと考えた時には満室で利用できない可能性があります。

特に、ゴールデンウィークなどの連休で、宿が予約できずに困ってしまうお遍路さんが多くいます。しかし、旅行会社のツアーに申し込めば、このような心配をしなくて大丈夫です。集合時間を守れば自動的にお遍路をすることができます

公認先達さんに会える、話を聞ける

多くのお遍路ツアーでは公認先達(こうにんせんだつ)さんが一緒に巡拝します。公認先達はお遍路の知識や経験が豊富なので、さまざまなことを教えてくれます。

個人的にお遍路に参加しても、公認先達さんと会話できる機会はめったにありません。ツアーに参加することは公認先達さんと会話する貴重な機会となります。

公認先達は、四国八十八ヶ所のすべての札所を4回以上参拝し、「四国八十八ヶ所霊場会」に公式に認定されると公認先達(こうにんせんだつ)と名乗ることができます。公認先達はお遍路マスターと言ってもよいでしょう。
お遍路ツアーでは88の札所を観光するだけでなく、「参拝」するスケジュールも組み込まれています。お遍路ツアーにおける公認先達の役割は、参拝時に皆様を案内することにあります。

札所の参拝は次のようなことを行います。

・山門で礼
・鐘を突く
・手水場で身を清める
・本堂でローソク、線香、読経を供える
・大師堂でローソク、線香、読経を備える
・納経所で御朱印をもらう
・山門で礼

これらの参拝をスムーズに行うために公認先達は皆様を先導します。そのため、お遍路について全くの初心者であっても公認先達について行けば、予定時間内に丁寧な参拝ができます

体力に自信が無くても問題ない

かつて、お遍路は修行の旅であり、途中で命を落とすこともありました。弘法大師・空海を信仰する人々が、悟りに至るために厳しい修行を行っていたのです。
 
しかし、時代は変わり、お遍路の過酷さは少なくなりました。高速道路が整備され、札所へアクセスしやすくなり、宿泊施設も増えました。
 
そのため、ツアーに参加すれば、体力に自信が無くても88ヶ所の札所を巡拝できます。さらに、境内での移動などの運動は、程よい運動になります。四国の自然の中で体を動かすと心身ともに癒され、夜はぐっすり眠ることができます

参加者と仲良くなれる

お遍路ツアーには様々なプランがありますが、約12日をかけすべての札所を巡るプランがあります。このように長期日程のプランでは同行者と楽しく会話することができます。
 
お遍路には同行二人(どうぎょうににん)という言葉があります。これは弘法大師への信仰心から生まれた言葉で、四国八十八ヶ所を巡っている時は、常に弘法大師とともに巡っているという考えです。
 
弘法大師だけでなく、同じツアー参加者も同行二人です。「旅は道連れ世は情け」というように、他の参加者との縁により、思いがけない楽しさがあるかもしれません。
 
ただ、中には死者の供養のためにお遍路を巡拝する方もいます。いろいろと詮索するのは控えた方が良いでしょう。また、他人に詮索されたくない方は、タクシーでの遍路ツアーのように知り合いだけで参加できるツアーがおすすめです。

 
このように、お遍路ツアーに参加すると簡単にお遍路の知識が得られ、気軽な旅をすることができます。