「ギャンブルは必ず負ける仕組みになっている」という考えは間違っているということは既に述べました。
今回は、ギャンブルの仕組みを簡単に説明して、勝ち組と負け組がはっきりと分かれるということ、必ず負けるギャンブルもあるということをお話ししたいと思います。

ギャンブルの仕組み:控除率について

ギャンブルの主催者(JRAやパチンコ店)は客がゲームに参加すれば必ず収益が出る仕組みになっています。参加者全員の掛け金のうち何%か差し引いて残りを参加者に分配します。このパーセンテージを控除率と言います。
JRA日本中央競馬の控除率は約25%(券種によって変動)です。つまり、参加者からの掛け金のうち25%はJRAの運営のためや、税金として差し引かれます。残りの75%が参加者に分配されます。
100人が競馬に参加し、1人1万円賭けたとするとJRAは25万円を取り、残りの75万円を参加者が分け合うということが分かると思います。

この考え方は全てのギャンブルに当てはまります。パチンコでも参加者の賭け金のうち一定の割合が控除されて残りが分配されています。
控除率はギャンブルの種類によって次のように設定されています。

宝くじ(日本) 52~56%
公営競技 25%
パチンコ 10~15%
カジノ 1~5%
参加者の技量によって勝組と負組が生まれる

上図の1人1万円で100人が参加した競馬をもう一度考えてみましょう。参加者はJRAに25万円を控除され残りの75万円を分け合うことになりますが、7,500円ずつ分配されるわけではありません。
75万円を100人で競い合っているというイメージが重要となります。多くのギャンブルは主催者との駆け引きではなく、客との勝負だということを理解しなければなりません。
例えば、あるレースが終わった後、勝った人は10人、負けた人は90人いたとしましょう。すると次の図のようになります。

  勝組の平均 負組の平均 参加者全員
回収率 150% 67% 75%

ここに平均値の罠があることに気づきます。競馬をすると1万円賭けるごとに2500円減り、7500円が戻ってくるという割合で進むのではなく、負組は75%以下のパーセンテージで払戻されています。
残念なことに、勝組と負組には毎回同じ人が選ばれています。ギャンブルをしている全期間において勝っている人、負けている人にきれいに分かれるのです。
一時の運で収支がプラスになる事はありますが、年単位や全期間で考えると勝組は必ずプラスに、負組は必ずマイナスになっています。
勝組と負組を分ける基準は唯一つ。勝ち方を知っているかどうかです。どの馬を買うか、どのパチンコ台に座るか、これを理解できている人だけが収支的に勝組となるのです。負けている人の多くは、運任せや賭けの戦略が間違っています。

客同士で競わないギャンブルは必ず負ける

「ギャンブルは必ず負ける仕組みになっている」は間違った考え方です。「胴元つまり主催者に収益が出る仕組みになっている」という方が正しいです。
胴元が控除した残りを客同士で奪い合う場合、参加者の技術によって分配率が異なります。しかし、参加者の技術介入ができないギャンブルは長期的に考えると全員負けます。
例えば、宝くじは技術介入することはできません。宝くじの抽選は完全にランダムな方法で行われているため、血統だとか馬体重と言った要素を考える余地が無いのです。つまり、運任せなのです。
また、宝くじは控除率が高く、高額当選者も少ないので一番割に合いません。ギャンブルと言うより寄付だと思った方が賢明です。勝組は実力ではなく運が良かっただけの話になります。
また、カジノのルーレットはほとんどランダムに抽選され、対策の立てようがありません。必勝法として有名なマーチンゲール法も良く考えると期待値が100%を超えることはありません。
ただし、本気で統計的に分析してルーレットで長期的に勝てることを証明した数学者もいますが、彼のようにレベルの高い技術介入ができなければ必ず負けます。
今回は、ギャンブルの仕組み、勝組と負組ができること、宝くじやルーレットなど運任せのゲームは必ず負けるということを話しました。