三連単やMAXタイプを選ぶ理由
ハイリスク・ハイリターンが人気
ギャンブルにのめり込んでいる人は、競馬では三連単、パチンコではMAXタイプを好む人が多くいます。実際に、競馬の券種別の売上額は三連単がトップであり、パチンコ店でも4円パチンコのMAXタイプが大量に導入されています。
三連単とは馬券の一種で、1着から3着までの馬を全て予想するというものです。また、MAXタイプとはパチンコの当選確率が1/400程度のタイプの機種を言います。
そもそも、三連単やMAXタイプは当てることが難しいギャンブルです。つまり、当選確率が低いという特徴があります。両者とも10万円使って当たらないことは良くあることです。
しかし、当たれば大きな払戻を得る確率が高くなります。三連単の馬券は配当が1万倍越、つまり100円が100万円以上になる事は全く珍しくありません。MAXタイプでは1日で20万円以上稼げることもあります。
つまり、三連単やMAXタイプは共通してハイリスク・ハイリターンという特徴を持ったギャンブルです。多くの人は一発大きく当てたいと考えます。このように行動する理由には人間の心理学が関わっています。
希少性の原理
人間には希少性の高いものを求めるという心理が働きます。これは文字通り、希少性の原理と心理学の世界で呼ばれています。
希少である、手に入れ難いという条件が付くだけで、人間はそれを良いものだ、素晴らしいものだと判断してしまいます。つまり、当選確率が低ければ低いほど魅力が増して手に入れたいという衝動に駆られるのです。
競馬であれば三連単より単勝の方が控除率が低いため、単勝の方が平均的に勝ちやすい馬券です。にもかかわらず単勝の売り上げは三連単や三連複に比べて圧倒的に少ないです。
また、パチンコ機種の全国導入台数を見ると圧倒的にMAXタイプが上位を占めています。
当選確率の低い馬券やパチンコ台が人気であることから、希少性の原理が影響しているということが示唆されます。
これはギャンブルに限ったことではありません。「閉店セール」「数量限定」「期間限定」と表示されているだけで希少性の原理が働き魅力が増すため、バーゲンセールには人が集まります。
売られているものが粗悪品でも、バーゲンと聞くだけで店に行って、必要ではないものまで買ってしまいます。数量や時間に制限が掛けられ、手に入れることが困難な状況だと思い込ませ、購買欲を掻き立てます。
胴元の戦略
ギャンブルの主催者は参加者の掛け金が増えるほど収益が発生する仕組みとなっています(第2回を参照)。そのため客数、賭けの金額を最大限増やそうと努力しています。レース結果やパチンコの当たり回数がどうであっても客の賭け金が増えるほど収益が出る仕組みとなっているためです。
一方、客数が減少傾向にある地方競馬場では経営が難しく閉鎖される競馬場も増えてきました。客が0人でない限りは必ず収益は出ます。しかし、運営に必要な目標利益に届かないのです。
ギャンブルの主催者は我々をギャンブルに参加させようと必死になっています。その戦略として希少性の原理が使われています。
・G1やSGというグレードを設けて参加できる機会に希少性を持たせています。実際、G1やSGのレースの売上額は跳ね上がります。
・「この音楽が流れ終わるまでに購入してください。」もう締め切られてしまうという感覚を毎レース味わわせ、結局全レース参加することになります。
・最終レースは特例で控除率を低くすることがあります。今日最後のレースという希少性、控除率が低くなるという希少性が重なり、売上額は大きくなっています。
パチンコ・スロット
・「7の付く日は○○店へ」などの文句は希少性を働かせます。良い台を増やすイベントかもしれない日は月に3回しか無いので「今日は絶対行く」と思ってしまいます。
・新台入替を繰り返し、目新しく珍しい機種を打たせようとしています。
・プレミア演出やフリーズを取り入れる。
このようにギャンブルの主催者は心理戦を駆使してあなたを誘い込もうとしています。そのため、無知のあなたは戦略に完全にはまってしまうことになります。主催者の意図するままに行動したくなければ、心理学を知り、戦略を知る必要があります。