四国にある八十八ヵ所の寺院を巡るお遍路の旅。同じ道程を巡る旅でも時期によって様子が全く異なります。ただでさえ人口の少ない四国ですが、お寺のある地域や遍路道はド田舎と言っても良いくらいです。そのため、自然があふれ季節をたくさん感じることができるのです。

夏のお遍路

メリット

荷物が減る
気温が高く、蒸し暑いので軽装となり荷物が軽くなります。しかし、山道を進む際はハチやマムシの危険があるので肌を露出しないようにした方がよいです。
私は室戸半島で薄い服の上から何らかの昆虫に刺されてしまいました。ハチだと思って焦りましたが、違ったようで無事でした。
日が長い
日の出が早く、日没が遅くなるため暗闇の中を歩く機会は減ります。暗闇の中を歩くのは危険です。地図も読めなくなるし、遍路道の道案内も見失ってしまうためです。
 
洗濯物がすぐ乾く
着替えを洗濯して夜の間に干しておけばすぐに乾きます。
海がきれい
お遍路は四国を1周回るように札所が配置されています。そのため、海を目にする機会が多くなります。特に高知県から見える太平洋、今治から見える瀬戸内海は太陽がぎらぎら照っていた方がきれいに見えます。

デメリット

熱中症
お遍路で最も危険な事は熱中症だと思います。実際に無理をして歩き遍路中に亡くなる方もいます。熱中症は気温が高いという条件だけでなく、自分の体調によっても発症しやすくなるので夏場にお遍路をする場合は1日歩かず休むという選択も必要になるかもしれません。
もし、クラクラして気分が悪くなったら木陰に入って、脇の下を氷やジュースで冷やさなければなりませんが、お遍路中に適切に対処できる場所は少ないと思います。救急車を呼ぶにしても自分の場所を説明しなければなりません。
なるべく早い時間に出発し、無理をせず、水分補給をして気を付ける必要があります。
水分の確保
熱中症の発症を防ぐためにも水分補給は必須です。特に、年を重ねるにつれて体の水分量が減ってしまうので常に補給を心がけましょう。
また、大量に汗をかくとナトリウムなどの電解質が出てしまうので、水分補給だけでは熱中症予防に不十分となります。そこでスポーツドリンクや経口補水液などを必ず持って歩くようにしましょう。
 
虫・マムシ
四国は田舎ですから虫は大量に発生します。山に入ればマムシも現れます。なるべく肌の露出を避け、首元にはタオルを巻くなどして歩いた方が良いでしょう。
また、お遍路用具の菅笠は役に立ちます。日差しを防ぐだけでなく、虫やクモの糸から守ってくれます。私は笠の上からハチにチクチク刺されたことがあります。焦って逃げて無事でしたが笠があって助かりました。
 
日焼け
一日中、強い日差しの中を歩くため真っ黒に日焼けします。それを毎日続けると皮膚がヒリヒリして痛くなります。日焼け止めクリームをおススメします。
特に、最御崎寺に向かう室戸半島は要注意です。この遍路道は海沿いを通るため日陰になるような所がありません。また、緯度や暖流の影響でゴールデンウィークの頃や初秋の頃は真夏並みに暑くなります。