高知県の36番札所・青龍寺を出発して、37番札所・岩本寺へ向かう道の途中で高低差約270mの峠越えをすることになります。
ここでは、約6km上り坂が続くことになりますが、大坂遍路道、そえみみず遍路道、国道56号線と3つのルートを選ぶことができます。
その分岐点は36番札所・青龍寺を出発して約36kmの地点で訪れます。それぞれのルートについて説明します。
そえみみず遍路道
そえみみず遍路道は漢字で「添蚯蚓」と書きます。道が(蚯蚓)ミミズのように曲がりくねっていることから、そう名付けられました。
この遍路道は江戸時代(1687年)に真念によって著された「四国遍路道指南」という当時のガイドブックに登場する遍路道です。つまり、そえみみずは300年以上の歴史を誇る遍路道と言うことになります。
そえみみず遍路道は国道56号線より北を通るルートで山の尾根を通るルートになっています。そのため、標高400mを超える地点まで登ることになり3ルートの中で最もエネルギーを必要とします。
しかし、天気が良ければ久礼湾を望む絶景を楽しむことができるので体力に余裕のある方はや昔ながらの遍路道を歩きたい方にオススメです。
大坂遍路道
もう一つ、昔から多くのお遍路さんが通ったルートに大坂遍路道があります。この遍路道は前述の「四国遍路道指南」には登場しませんが、アスファルトではない遍路道として人気のルートです。
大坂遍路道は国道56号線より南を通るルートで山間の谷を通るルートになっています。そのため、高低差は最も小さくエネルギーを節約して歩くことができます。
しかしながら、雨が降ると谷に水が流れ込み、へんろ道が水没して通れなくなってしまう可能性があります。雨が降るときにこのルートは選んではいけません。
国道56号線
国道56号線を歩く場合、言うまでもなくすべてアスファルトで舗装された道を歩きます。国道を歩く際のメリットとしては、雨の日に落石や倒木などの危険性が低いということです。
もし、山道を選択して途中の道が崩れて通れない場合は引き返さなければなりませんが、国道ではその心配はほとんど不要です。
しかしながら、通行車両に気を付ける必要があります。特に国道56号線を行くルートでは歩道が少なく、お遍路さんは幅の狭い路側帯を歩くことになります。また、トンネルもあるので反射板やライトで自分の存在を運転手に認識させながら歩きましょう。
実はこの国道56号線、交通量は比較的少ないです。なぜなら、高知自動車道で須崎西ICから四万十町中央IC間は無料区間なので国道を通らずに高速道路を通行する車両が多いためです。
そのため、雨や風が強い時は国道56号線を選択することをお勧めします。