お遍路ではハチに注意しなければなりません。山間にある札所、遍路道ではハチと遭遇することはよくあります。
ハチに刺されないためには肌の露出を防ぎ、ハチを刺激しないようにしますが、今回はハチに刺されてしまった際に知っておくべきアナフィラキシーショックについて説明します。

ハチの毒性

 

ハチ毒が体内に入ると2パターンの反応が起こる可能性があります。1つはハチ毒そのものによる反応です。もう1つはアレルギー反応です。
ハチ毒
実は、ハチ毒自体はそれほど強力な毒ではありません。オオスズメバチに1ヵ所刺された程度では致死量に達しません。一度に注入される毒の量も限られています。
ただし、大群に襲わる場合など何度も刺されると致命的なケースになることがあります。スズメバチでは30ヵ所以上、刺されると命に危険があると報告されています。
毒を持つハチとして代表的なものは次の通りです。
▽毒を持つハチの種類(毒性の強い順)
・スズメバチ
・アシナガバチ
・ミツバチ
アレルギー
異物であるハチ毒が体内に入ると体は防衛反応を示します。防衛機構が過剰に反応することで逆に体に悪影響を及ぼすことがあります。これをアレルギー反応と呼びます。
アレルギー反応が花粉症のように軽度な場合もありますが、重篤な症状を引き起こすことがあります。じんましんや急激な血圧低下など全身性の症状があります。これをアナフィラキシーと呼びます。
アナフィラキシーにより意識を失いショック状態となることをアナフィラキシーショックと言います

ハチに刺された時の症状

アナフィラキシーが発生しない場合
初めてハチに刺される場合は2回目に刺される場合に比べてアナフィラキシーは発生しにくいです。この場合は痛み、腫れが現れ1週間程度続きます。
▽ハチ毒による症状
・痛み
・腫れ
アナフィラキシーが発生した場合
アナフィラキシーは以前ハチに刺された経験がある人で起こりやすく、刺されてから短時間で症状が現れます。ハチに刺されてから数分~10分程度でアナフィラキシー症状が現れます。意識喪失してしまうアナフィラキシーショックは30分以内に発生します。
▽アナフィラキシー症状
・蕁麻疹
・呼吸困難
・腹痛・下痢
・ショック
など

2度目が危ない理由

スズメバチやアシナガバチのような毒を持ったハチに刺されたとき2度目が危ないという話を聞いたことがあると思います。
必ずしも2回目にアナフィラキシーショックを起こすわけではありません。1回目での死亡例もあります。全体的にみると2回目の方が危険性は高いということになります。また、短期間のうちに2回刺されるとアナフィラキシーを起こしやすくなります。
初めてハチに刺されたとき、体内で抗体が作られます。次にハチ毒が侵入するときにすぐに対応できるように準備しているためです。しかし、2度目に刺されたとき過剰に防衛反応が起こるとアレルギー反応を起こすのです。重症の場合はアナフィラキシーとなります。