弘法大師・空海に縁のある札所を巡るお遍路では88ヶ所の札所を巡ります。これとは別に20ヶ所の寺院が四国別格二十霊場として存在します。
真言宗やお遍路の開祖として知られる弘法大師にまつわる伝説は四国のいたるところに残っています。つまり、88ヶ所以外にも弘法大師に深い関係がある寺院があるのです。
そこで、四国の寺院で特に関係の深い20寺院が別格二十霊場として1968年に創設されました。
別格二十霊場は歴史が浅いのか?
1968年に創設と聞くと歴史が浅いのではないかと思うかもしれません。
四国を巡礼するお遍路は1200年の歴史を持ちますが、初期のお遍路は札所を巡礼するスタイルではありませんでした。88ヶ所の札所が確定したのは1653年の江戸時代になってからと考えられています。
その88ヶ所と歴史を比べても別格二十霊場は歴史が浅いということになります。しかし、それぞれの寺院は歴史が深く、弘法大師にまつわるエピソードが残っています。
例えば、歩いて巡礼をするお遍路さんには橋の上で杖を突かないという習慣が残っています。これは別格8番の十夜ヶ橋にまつわるエピソードがもとになっています。
八十八ヶ所霊場と別格二十霊場
別格と言われていますが、88ヶ所を巡るついでに20ヶ所を巡るお遍路さんが多いです。その場合、88+20=108となり巡る霊場の数が人の煩悩の数になります。88ヶ所と別格20ヶ所を巡ると煩悩が払えると考えている人もいます。
また、作法については八十八ヶ所霊場の作法と違いはありません。本堂や大師堂前で読経をしたり、御朱印をもらったりします。もちろん、任意で行えばよい作法です。
ただし、納札については一般は白、先達は黄、権中先達は赤、中先達は緑、権大先達は銀、大先達は金、特任先達は錦と決められています。
別格二十霊場を巡るお遍路さんは少ない
多くのお遍路さんは88ヶ所を巡礼します。そのため、別格20ヶ所を巡る人は圧倒的に少ないです。別格札所を巡る人はお遍路に深く魅了されたお遍路ファンであることが多いです。
別格二十霊場を歩いて巡るという方はお遍路に関して熟知されているとは思いますが、山道が整備されていないこともあるので十分注意しましょう。