お遍路姿でパチンコに行けますか?
当サイトでは、ギャンブル依存症を克服するために歩き遍路を提案しています。歩き遍路とは、四国八十八ヶ所霊場を歩いて巡拝することです。
お遍路は約1200年の歴史があり、真言宗の開祖である弘法大師(空海)の足跡を辿るように四国を一周します。現代でも全国各地、世界中から四国にお遍路に来る人が多く、人々を魅了しています。
最近では、バスツアーや自家用車でお遍路をする人の割合が高く、1番から88番の寺まで歩いて行くという人は少ないという傾向があります。
歩き遍路は体力的にも精神的にもキツイので、相当な覚悟が必要になります。約1200kmの道のりを約40日賭けて歩きます。つまり毎日30kmも歩かなければなりません。
しかし、歩き遍路を達成した人の満足度は相当高いです。皆さん口をそろえて「よかった」と言って88か所を回り切ります。そこには様々な理由があるのです。
お遍路姿でパチンコ店には絶対入れない
お遍路に厳格なルールはありません。世界中から様々な宗教の人が訪れ、全員を受け入れてくれます。しかし、多くのお遍路さんは白衣(びゃくえ)、菅笠(すげがさ)、金剛杖(こんごうづえ)などを揃えて巡拝しています。
これらの衣装には意味があります。
白衣
お遍路は修行の旅でした。昔は整備された道、泊めてくれる宿、コンビニ、ATMなどありません。そのため道中で死んでも良いという覚悟の上で旅を行っていました。つまり白衣は死に装束なのです。
菅笠
直射日光を避ける笠ですが、次のような言葉が書いてあります「迷故三界城 悟故十方空 本来無東西 何処有南北」。この言葉は棺桶や骨壺に書かれていた言葉です。
金剛杖
杖は弘法大師の化身として持ち歩きます。また、杖の持ち手はお墓にある卒塔婆(そとば)と同じような形をしています。つまり、どこで死んでも杖が卒塔婆になるように持ち歩きます。
昔のお遍路さんがどれだけ本気だったかが分かると思います。現代では死ぬほど困ることはありませんが、昔からの伝統を身にまとって歩くのです。
さて、これらの衣装を着てパチンコ店に入れるでしょうか?
お遍路の格好をしてパチンコを打っていると、間違いなく周りから異常者だと思われます。そして、それを避けたいあなたはパチンコ店に入ることを諦めるでしょう。
これには、ある心理学の法則が関連しています。
一貫性を保ちたい
人は自分の言葉や行動、立場に筋を通したいと思う傾向があり、これを一貫性の法則と呼びます。常に一貫した人間でありたいと思います。そして人は一貫している人に好印象を持ちます。反対に、言動が行動と一致しない人は信用できないと感じます。
お遍路の格好をしてパチンコ店に入れないのは一貫性の法則が働いているためです。
歩いてお遍路をすることは大変な事だと四国の人は理解しています。そして歩き遍路をする人は、衣装を揃えて自分はお遍路さんだと宣言していることになります。
努力している、偉い、まじめというお遍路さんのイメージがお遍路の格好をしているだけであなたに追加されることになります。衣装を着るだけで頑張ろうという気も起き、周りからも応援されます。
しかし、お遍路姿でパチンコを打っていることは全くイメージに合わず一貫性が失われるため、場違いな気分を味わうことになります。そして他人からも嫌われる存在になってしまいます。
一貫性の法則は人の深層心理にある法則です。これに反することは非常に気分が悪くなってしまうのです。
ギャンブル依存症で悩んでいる人は、自分を無理やりお遍路さんという立場にすることで、努力している、真面目だというイメージを追加しギャンブルには行けないと悟ることに繋がります。