「ゴールを決めて逆算する」
この考え方はシンプルですが非常に重要なことです。この原則は、あらゆる事柄に当てはまります。
例えば大学受験は最初に志望校を決めます。次は模試で自分のレベルを確認。試験日までの日数から予定を決めます。厳しい状況なら塾に行くことも考えるなどします。
スポーツでも同じです。オリンピックで金メダルを取りたいのか、インターハイに出場したいのか、ゴールが異なればそのプロセスも異なります。

お遍路では当たり前が有り難い 

お遍路で学べることはたくさんあります。しかし、それは新発見と言うより再発見と言う方がふさわしいです。
つまり、誰でも当然と思うような事が身に染みて理解できるということです。実は、人が生きる上で重要な事柄は誰でも知っています。
例えば、感謝をすること、相手を理解する事、我慢する事、ゴールを決める事など。当たり前すぎて注意できなくなっています。
このような原理原則は学校や親から教えてもらったり自己啓発本に書いてあったりと「教訓」、「格言」は出回っています。ソクラテスや孔子の時代から受け継がれた人生のノウハウであってもサラリと流してしまいます。
そこで、お遍路では歩き遍路では約40日をかけて四国を一周します。この40日と言う長期間の日数も関係します。
四国と言う隔離された島で、1200年続く道を毎日行歩くことで視野を広げることができます。それによって新たな視点を得ることができます。
その証拠に、四国八十八ヶ所の最終ポイントである88番札所の大窪寺では「有り難い」「感謝」という言葉が結願したお遍路さんから飛び交います。同じ四国で生活をしていてもお遍路をしていない人ではこの感覚は生まれません。

ゴールを決める重要性

ゴールを決めることも昔から語り継がれる原則です。お遍路ではこれを実感することができます。
というのも、お遍路ではゴールが最初から決まっています。基本的にお遍路には決まりはありませんが、多くのお遍路さんは1番札所を出発して88番札所を目指します。
さらに、1番の次は2番、その次は3番と全て順番が決まっているため目標を見失うことは、まずありません。
実際に歩いていて思ったことですが、目的地が先に決まっていることは非常に楽です。なぜなら、その目標から逆算することで今何をすべきか分かるからです。
どこの宿に泊まるかを決めて、電話で予約をします。また、区切り打ちの場合は電車やバスの時間も考えることができます。
しかし、四国でどこに行きたいのかわからない状態ならどうでしょう。東に進むべきか西に進むべきか悩まなければなりません。宿や食料の確保も遅れてきます。
四国に来ることで、当たり前ですが重要な原則を再確認できます。毎日の流れに乗ってダラダラ過ごしていると気付かないことを気付かせてくれる旅になります。
お遍路では他にも重要な原理を再確認できる機会になります。実際に自分で確認しに来るのも良いかもしれません。
ただし、お遍路でなければ理解できない事ではありません。重要なことは当たり前のことです。それに気づく視野を持つ体験を何でも良いので学生のうちにやることをお勧めします。