四国八十八ヶ所では一部の札所で宿坊を運営しています。宿坊とは本来は僧侶が宿泊する施設でしたが、一般の参拝者も宿泊できるようになり、現在では観光としても楽しめるようになりました。

通常の旅館とは異なり、寺の境内にある建物に泊まるケースが多いので、初めて宿坊に泊まるときは新鮮さを感じます。また、それぞれの寺によって料理や部屋の雰囲気などが全く異なるので宿坊巡りをする人も多くいます。

ここではお遍路で宿坊を利用するときに知っておくべきことについて説明していきます。

お遍路(四国八十八ヶ所)の宿坊一覧リスト

そもそも、すべての札所に宿坊があるわけではありません。そこで利用できる宿坊を運営している札所のリストを作成しました。Gooleマップのリンクを開くと、地図だけでなく、電話番号も表示されるので、ぜひご利用ください。

番号 札所 地図
2番 極楽寺 Googleマップ
6番 安楽寺 Googleマップ
7番 十楽寺 Googleマップ
13番 大日寺 Googleマップ
19番 立江寺 Googleマップ
別格4番 鯖大師 Googleマップ
24番 最御崎寺 Googleマップ
26番 金剛頂寺 Googleマップ
37番 岩本寺 Googleマップ
38番 金剛福寺 Googleマップ
40番 観自在寺 Googleマップ
44番 大寶寺 Googleマップ
58番 仙遊寺 Googleマップ
75番 善通寺 Googleマップ
81番 白峯寺 Googleマップ

宿坊の料金:一泊二食で6,000〜7,000円

四国八十八ヶ所にある宿坊は一泊2食付きで6,000〜7,000円が相場です。ただしプランによっては料金が異なります。

これについては通常のビジネスホテルの料金プランと同じイメージで良いです。例えば、相部屋より個室を選べば安くなり、食事の有無によっても変わります。

宿坊の予約方法

お遍路さんは基本的に電話で宿坊を予約をします。予約はなるべく早く、前日か当日の朝までに行いましょう。予約なしに直接宿坊に行くと宿泊できない場合があります。

ネット予約できる宿坊(6番札所・安楽寺)

なおネット予約ができる宿坊もあります。具体的には6番札所の安楽寺になります。こちらの宿坊は「楽天トラベル」「じゃらん」などで予約ができます。

ネット予約をするとポイントが貯まります。ビジネスホテルや旅館の利用も考えている場合、ネット予約を活用することで、トータルで考えると、かなりお得になります。

また口コミを確認できたり、料金プランが一目でわかるため、納得のいく宿泊計画を立てることができます。以下にネット予約ができるページのリンクを貼っておくので活用ください。

徳島県にある安楽寺ではホテルのように綺麗な宿坊を利用できます。プランも「2食付き」「朝食付き」「素泊まり」などがあり、それぞれのスタイルに合わせた宿泊ができます。

また弘法大師が発見した温泉が現在でも湧き出ており、温泉湯治のご利益が伝えられる場所でもあります。宿坊利用者は入浴することができます。

宿坊の料理

宿坊の料理は質素な精進料理をイメージするかもしれませんが、四国八十八ヶ所の宿坊は豪華な料理を出すところが多く、お遍路さんのスタミナ回復に貢献します。

以下の写真は37番札所・岩本寺の夕食になります。鰹のタタキやフルーツも付いています。

ほとんどの宿坊は食事の際、食堂に集まります。そのため、他の宿泊者と顔を合わせて食事をすることになります。

特にお遍路の場合は、日程や次の目的地が同じお遍路さんが多いので情報交換の場となり会話が弾む時間となります。

朝のお勤め

宿坊が旅館と異なるポイントとして「朝のお勤め」があります。これは札所のお坊さんが本堂などで毎朝行う読経を近くで聞くことができるというものです。

基本的に参加や服装は自由ですが、白衣を持っている場合は身に付けて朝のお勤めに参加するとよいでしょう。また、お坊さんが札所の歴史や教訓などを語ってくれるところもあります。

減りゆく宿坊

日本各地の宿坊は減少傾向にあり、四国八十八ヶ所でも、宿坊が休業中や廃業した札所があるのです。その理由は宿坊経営の難しさにあります。

宿坊の建物の維持や労働者の確保は過疎化が進む地域では厳しい状況が続き、旅館業として営業するためには旅館業法などに定められた基準を満たした施設でなければならないためです。また、食事を提供する場合は飲食店営業許可などが関与します。

さらに、宗教法人は営利を目的としないため、法人税は非課税となりますが、宿坊を1泊2食付き6,500円で運営すると、その利益は法人税課税の対象となるのです。

四国八十八ヶ所の札所であれば、御朱印だけでも大きな収入を得られるというのに、宿坊を運営する寺院はお遍路さん思いの札所なのではないでしょうか。