四国八十八ヶ所霊場を巡るお遍路の旅は、単なる観光地とは異なり「巡礼」というイメージが強い特徴があります。

巡礼をするお遍路さんは白装束、金剛杖、菅笠といった衣装を身にまとい、境内ではお経を唱えます。

お遍路は弘法大師が開創してから1200年の歴史を持つとされます。当然、昔は徒歩での巡礼が一般的な方法でしたが、現代では自動車や観光バスによる巡礼が圧倒的に多く、歩き遍路をする人の割合はお遍路さん全体の1割にも満たないのです。

歩いてお遍路をする必要はないので、現代のお遍路のハードルは格段に下がりました。

お遍路の手段は無限大

お遍路には様々な手段があります。全ての札所を徒歩で巡る人やバスで巡る人がいますが、手段を組み合わせて巡る人も多いのです。

例えば、JRと徒歩を組み合わせ、最寄り駅までは電車で行き、そのあとは徒歩で巡る方法。路線バスやタクシーを部分的に利用する方法などがあり、自分に合った巡拝方法を選択します。

なぜ歩くのか?

歩き遍路をする理由は人によって異なります。総距離1200kmにもなる旅へのチャレンジ精神や観光のために巡礼をするお遍路さんも少なくありません。

また、功徳を積んでご利益を得るために巡礼をするお遍路さんもいます。功徳とは仏教的に善い行いの事で、読経をすることや納札を奉納することも功徳を積むことになります。

バスツアーで得られる功徳では納得できない場合や、強い思いを抱えている場合、歩いてお遍路をします。例えば、親しい人の死を弔うため、病気平癒のためなどです。

お遍路はフリーダム

お遍路初心者が情報収集を行うと、巡礼の手段、参拝方法など様々な決まりがあるように感じてしまいます。しかし、個人個人が納得できればお遍路のスタイルは自由なのです。

歩き遍路は自動車遍路より大変なことは間違いありませんが、ご利益の大小は誰にもわかりません。

自由と言っても、他人に迷惑をかけるほど自由な行為は許されません。強い信仰心をもって巡礼する人もいるためです。心を落ち着かせてお遍路を楽しみましょう。