お遍路さんは尊敬される
四国で白装束に金剛杖、菅笠というお遍路の格好をしていれば地元の人からお遍路さんだと認識されます。そんなお遍路さんはコツコツと歩みを進めて厳しい旅をしているため地元の人から尊敬されています。
また、お遍路さんはお遍路の開祖ともいわれる弘法大師・空海と同一視されることもあります。そのため、お遍路さんに合掌して拝む人もいます。
特に遍路道に近い家では昔からお遍路さんに挨拶をし、お接待をするようにと親から教えられています。お接待とは四国にあるお遍路の文化で、お遍路さんに対して無償でお菓子やお茶を提供することを言います。
実際に私が歩いてお遍路をした時もお接待を受けました。また、小学生や中学生に何度も挨拶されました。このような経験は四国以外ではできないことです。
お遍路さんは本当に偉いのか?
確かにお遍路さんは1200kmの厳しい旅をしています。特に歩き遍路の場合は約40日の期間が必要になります。そして弘法大師信仰の考えではお遍路さんは尊い人物になります。
しかし、本当にお遍路さんは尊敬されるべき人なのでしょうか?
真に尊敬されるべき人は人類の進歩に尽力した人や、人々の幸福に寄与した人です。実際、四国でお遍路の格好をしていれば巡礼をしていなくてもお遍路さんだと認識されます。
私のように中身のないタダの大学生が歩いているだけでも多くの人から尊敬されサポートを受けました。ところが、お遍路さんはお接待を受けても感謝することしかできず、地元の人に何も与えることができません。
お遍路さんはお接待を受け取るばかりで、人々から与えられ続けています。お遍路の目的もほとんどが自分のご利益のためです。
自分のために頑張るお遍路さんと、他人のために尽力する地元の人を比べると、圧倒的に後者の方が尊敬されるべき存在です。
謙虚にお遍路をしよう
自分がお遍路をしていると周りから与えられ続けるため非常に良い気分になってしまいます。そのため、近隣住民の事を考えずに野宿をしたり、マナーを守らなかったりするお遍路さんも現れてきます。
お遍路さんは最低限のマナーを守り、謙虚な姿勢で四国を巡らなければなりません。決してお遍路をしている自分に対してもっと親切にしろ!などと考えてはいけません。