直感を信じない
ギャンブルで勝つため、勝てないということを理解するためには、直感を疑う必要があります。
ギャンブルで勝つ人は、なぜ自分のお金が増えているか理由を知っています。ギャンブルで負ける人は、なぜ負けるかは分かりません。そして次は勝てると妄想しています。
人間は、少ない手がかりから因果関係を見つけようとする性質があります。この直感は大昔から変わらず、時には人間に恩恵をもたらしてきました。
洪水や津波の前兆を知ることで防災対策を行い、品質の良い作物を育てる経験を学んできました。しかし、ギャンブルは肌感覚の直感を信じていては最悪です。
まず、ギャンブルは完全に確率に従っているということを理解しましょう。特にパチンコやスロットは機械です。あなたの感情や気合に関わらず、プログラミング通りに動いています。
競馬などは機械で動いていませんが、確率の考え方を発展させた統計学に従うと考えて良いでしょう。
シミュレーション
実際にギャンブルをしなくてもExcelというソフトを使えばシミュレーションをすることができます。ランダムな数字を表示させる関数=rand()を使います。
そこで、次のような条件を設定してシミュレーションを行ってみます。
設定 |
投資額 | 当選確率 | 当選時の配当 | 回収率 |
---|---|---|---|---|
勝組 | 1万円 | 25% | 5万円 | 125% |
負組 | 1万円 | 7% | 10万円 | 70% |
1回のギャンブルで使うお金は1人1万円。
ギャンブルで継続して収支をプラスに出来る勝組は当選確率が高く、配当が低い甘デジや単勝を想定しています。勝てる作戦を知っているため、理論上の回収率は125%になるように設定しました。
一方、負組は当選確率が低く、配当が大きいMAXタイプや三連単を想定しています。勝てる戦略を知らないため、理論上の回収率は70%に設定しました。
勝組が1人につき、負組が9人という割合を想定すると、参加者全員の回収率は75%になるように設定しています。
回収率とは総投資額に対する払戻額のことで、回収率が125%では1万円ギャンブルに使うと平均して12,500円になって戻ってくる、100万円使えば125万円になるということを意味しています。回収率が70%であれば、100万円使うと70万円になります。また、回収率は「期待値」と言っても大差はありません。
シミュレーション結果
20回目の成績 | 投資額 | 当選確率 | 総収支 | 回収率 |
---|---|---|---|---|
勝組 | 20万円 | 20% (4/20) | +5万円 | 125% |
負組 | 20万円 | 20% (4/20) | +20万円 | 200% |
20回ギャンブルを繰り返した結果をシミュレートしました。
勝組、負組の両者の収支はプラスと言う結果になりました。むしろ、勝ち方を知らない負組が20万円も可っている所がおもしろいです。まさに、ビギナーズラックという所でしょう。
負組も短期間ではプラスになる事があり、ごく自然な事です。しかし、短期間で法則性を考えてはダメです。この続きがどうなったかご覧ください。
200回目の成績 | 投資額 | 当選確率 | 総収支 | 回収率 |
---|---|---|---|---|
勝組 | 200万円 | 23.5% (47/200) | +35万円 | 118% |
負組 | 200万円 | 7% (14/200) | -60万円 | 70% |
200回ギャンブルを繰り返した結果をシミュレートしました。
勝組はコンスタントに収支をプラスにしています。しかし、負組は大きく負けて60万円の損失を出していることが分かります。
回収率のグラフを見ると、最初に設定した勝組(125%)、負組(70%)に収束していることが一目でわかります。
勝ち方を理解していない負組は、回数を重ねるごとに総収益がマイナスになる確率が大きくなり、200回もギャンブルをすれば相当な確率で負けてしまいます。
試行回数が少なすぎる
多くの人は少ない回数の中で法則性を見つけようとします。
立て続けに10万円を手にすれば次も10万円が手に入ると勘違いします。しかし、それは単なるビギナーズラックに過ぎません。
特にハイリスク・ハイリターンのギャンブルではギャンブルの回数が少ないときに、大きく勝つことがありますが、それはただの偶然です。長い目で見れば珍しいことが起きただけなのに、この後も同じことが続くと妄想してしまいます。
長期間ギャンブルをすると、試行回数が増えるため設定された回収率に収束します。この回収率はギャンブルをする人の技量に影響しているため、勝組の回収率は100%以上に負け組の回収率は100%以下に落ち着きます。
やればやるほど負ける
負組が200回ギャンブルを繰り返したグラフをもう一度見ましょう。
このままギャンブルを続けるとどうなるか、簡単にわかります。それは、やればやるほど負けるということです。もし、大勝ちしても次も勝てると妄想してしまうためギャンブルを繰り返します。大勝ちは偶然です。
勝ち方を知らない人は、勝った時に止める人が賢いです。勝った後は負けていくということを知っているためです。
また、負組の人は自分の収支と向き合うのが嫌なため、収支を付けていません。そのため、上のようなグラフを書くことができません。
しかし、負組のグラフは典型的に上のようなグラフになるため、自分の収支を反映させなくても分かります。負組は全員このようなグラフになります。
稀に大勝ちできますが、長期間では負けてしまいます。この先も、やればやるほど負けてしまいます。
勝組のグラフ
勝組のグラフも典型的な形をしています。
このグラフはシミュレーションの結果ですが、私のパチンコ・パチスロで実際に得られた収支結果と比べても似ています。→「必ず負けるようになっている」は嘘