四国四県を巡るお遍路の旅では、県ごとに異なった情緒を味わうことができます。特に、歩き遍路では進むスピードが遅く、それぞれの県の特色がよくわかります。
徳島県には1番札所から23番札所まであり、距離は約220kmになります。多くのお遍路さんは徳島からお遍路を始めるため、徳島は昔から発心の道場と呼ばれてきました。
発心の道場
発心(ほっしん)とは、出家して仏門に入るという意味です。お遍路に来ると決心し、お遍路衣装を身にまとうことで気持ちが切り替わります。
お遍路は始まったばかり、これから高知、愛媛、香川に行かなければなりません。そのため、徳島県では発心のエネルギーが大きく、あっという間に高知県に入ってしまいます。
歩き遍路では7日~10日、車遍路では2日~3日で徳島県を通過することができます。
高低差の大きい遍路道
他県と比較すると徳島の遍路道は高低差が大きく、山道が多いことが知られています。特に、12番札所、焼山寺へ向かう遍路道は急斜面が続き、「遍路ころがし」の異名を持ちます。焼山寺だけではありません。19番札所、太龍寺へ向かう遍路道も木々が生い茂る山道を歩きます。
人を寄せ付けない場所にたたずむ札所を訪れると、かつて空海が修行をした景色を連想することができるはずです。
焼山寺の遍路ころがしは唯一残された弘法大師の道と言われています。また、太龍寺は弘法大師が虚空蔵求聞持法という修行を実際に行ったスポットとして有名です。
徳島の見どころ
 徳島のお遍路旅の見どころはたくさんあります。1番札所から11番札所までは吉野川に沿って歩きます。吉野川は中央構造線と言う断層上にあり、両側には山がそびえています。自然のスケールの大きさを目の当たりにすることができます。
 
また、22番札所から23番札所に向かう遍路道は海が見えます。曲がりくねったリアス式海岸を進みながら綺麗な海を見ることができます。天気が良い日はエメラルドグリーンの海、水色の空、山の緑と絶景が待っています。
 
海が見える由岐経由:23番札所薬王寺までの遍路道