納札は本堂や大師堂に納める
お遍路用品の一つに納札(おさめふだ)があります。納札は1番札所霊山寺やネットッショップなどで購入することができます。
お遍路に必要不可欠な用品やルールは存在しませんが、歩き遍路、観光バス遍路など手段に関わらず多くのお遍路さんが納札を持っています。
納札はその名の通り寺院に納めるお札のことです。納札を本堂や大師堂に納めることで、参拝したことを仏様に伝えるという意味があります
納札には住所、氏名、参拝年月日などを書くところがあります。また、裏面に願い事を書いて納める人もいます。
お接待を受けた際に渡す
お遍路中に納め札を使う場面がもう一つあります。それは、お接待を受けた時です。地元の人がお遍路さんに無償でお菓子を施したり、道案内をしてくれたりするお接待を受けたらお遍路さんは納札を渡す風習があります。
なぜ、四国の人はお接待をするのでしょうか。それはお接待には長旅を続けるお遍路さんをサポートする意味と、弘法大師へのお布施としての2つの意味が含まれているためです。
納札はお布施の証として機能します。弘法大師にお布施をすることは仏教的に善い行いで,
功徳を積むことになり、納札をたくさん集めるとたくさんの功徳を集めるということになります。
納札の書き方
納札は様式によって異なりますが次のようなことを自分で書きます。
・参拝年月日
・住所
・姓名
・年齢
・願意
参拝年月日は正確に日付を書かなくても「吉日」と書いても問題ありません。前もって数日分の納札をまとめて書いて用意することもできます。
住所や氏名に関しては個人情報なので書ける範囲まででかまいません。納札を納めるボックスは本堂や大師堂の前に無防備に置かれているので納札を抜き取られる可能性もあります。特に住所は番地まで書かずに、市町村まで書くことをお勧めします。

記入前

記入例

お遍路、納札 

お遍路、納札 

納札の色
納札は白いお札が一般的ですが、色の付いた納札も販売されています。お遍路の結願回数によってランク付けされており、次のように決められています。

納札の色 結願の回数
白色の納札 1~4回
青色の納札 5回以上
赤色の納札 8回以上
銀色の納札 25回以上
金色の納札 50回以上
錦色の納札 100回以上

納札を盗らないで!

お遍路、納札 

本堂や大師堂に設置してある納札ボックスから他人の納札を抜き盗る人がいます。色の付いた納札は珍しいので記念に持って帰ろうとするのです。
 
しかし、このような行為はマナー違反です
 
前述のとおり、納札は参拝した証拠であり、功徳を積んだ証拠です。他人の納札を盗むことは他人の功徳を奪うことになります。その他に、他人のローソクを消したり読経を邪魔することも功徳を奪う行為とされています。
 
お遍路は観光客だけでなく、真剣に巡礼する人もいるので、納札を盗る行為に不快感を抱くこともあります。お遍路にルールはありませんが、他人の迷惑になることは避けましょう。
 
もし、珍しい納札が欲しいのであれば、お遍路さんに直接お願いしてください。