お遍路は忙しい?
一生に一度は四国八十八ヶ所お遍路に行ってみたいと考える人は多くいます。最近では観光バスで気軽にお遍路ツアーに参加できるようになりました。
しかし、いざお遍路ツアーに参加して「なんだか忙しい」と感じてしまうことはないでしょうか。やはり、次々に札所を巡り情報が溢れてしまうためです。
一般的なお遍路ツアーでは先達さんがガイドとして同行してくれます。先達さんはお遍路の知識や経験が豊富なため、弘法大師のエピソードや歴史、参拝作法を丁寧に教えてくれます。
お遍路について予備知識があれば、ツアーにいくらか余裕が出てきます。しかし、お遍路に無知の初心者であれば癒しを感じる余裕がなくなるかもしれません。
ツアーの集合時間、参拝作法、バス移動、先達さんの話など、気にするとキリが無くなってしまいます。特に、弘法大師の伝説や仏教に関する知識は奥が深すぎます。
何も知らなくてもいい
もし、お遍路に来て忙しいと感じるなら、「無知でかまわない」と割り切ってしまう方法も1つの手です。他人に迷惑をかけなければ、お遍路衣装や読経などは必要ありません。
そもそも、昔からすべての人が四国に受け入れられてきました。国籍や宗教などは関係ありません。もちろん、お遍路をすることに知識の量も関係ありません。
確かに、知識を蓄えることで楽しめるポイントはあります。例えば、お遍路衣装の意味や仏像の見方など知れば知るほどお遍路が気に入るでしょう。
しかし、知識がなくても感動することは四国にいくらでも溢れています。例えば、綺麗な花、歴史ある建物、山奥の空気などを味わうことができます。
情緒を感じる
実は、眼には見えないもの、言葉にできないもの、文章にできない事によって心を動かされることは良くあります。このような雰囲気を情緒(じょうちょ)と言います。
都会から離れて四国に来てみれば、情緒あふれる環境に心から感動することができます。むしろ、予備知識が邪魔になってしまうかもしれません。
名前も知らない花を見て綺麗だなと思ったり、姿の見えない鳥の声に耳を傾けると、自然と心地の良い感情が沸き起こります。
先達さんが解説してくれる知識などでは説明できないものがあります。そのため、「お遍路の作法を守り、歴史を勉強しなければお遍路の本質は分からない」と考えることは少しずれています。
お遍路について何も知らないから、お遍路に行けないと考えているとハードルを上げてしまいます。百聞は一見に如かずと言うように思い立ったらお遍路に出発してみましょう。
きっと癒しを感じられます。