四国八十八ヶ所のお遍路に行くとき、服装や持ち物を取り揃えることになります。お遍路グッズは必須ではありませんが、白衣や輪袈裟を着用すると気持ちが引き締まります。そのためジーパンとTシャツで参拝するより、お遍路の服装でお参りをした方がよいです。

初心者であれば、どこでお遍路グッズを購入するか悩みます。お遍路グッズはネットや現地の販売所で売られていますが、それぞれにメリット・デメリットが存在します。そこで、どのようにしてお遍路グッズを入手するのがおすすめか説明していきます。

お遍路グッズはネット通販(楽天・Amazon)で購入するのが基本

お遍路に必要な服装やアイテムは全てネットで購入することができます。また楽天市場やAmazonなどを利用すれば口コミも見られるため、粗悪品を購入するリスクも減らすことができます。例えば、以下はAmazonでの山谷袋(お遍路用のバッグ)の購入ページになります。

口コミを見ると、「大判の御朱印長が出しにくい」「少し小さい」ことが分かります。こうした情報を参考にしながら、納得のいく商品を購入すればよいです。

なお、お遍路グッズは現地の販売店でも購入できます。1番札所の霊山寺には売店が併設されていますが、品揃えが限られていること、価格の比較ができないこと、口コミが見えないことを考えるとネットで購入するメリットが大きいことが分かります。

ネット通販だとかわいいお遍路グッズを探せる

リアルな販売店では在庫の関係から、最小限の品揃えしかありません。しかしネット通販では驚くほどの品数があります。そのため、オシャレでかわいいグッズを見つけることが可能です。例えば、納経帳の表紙デザインは様々で以下のようなかわいいデザインもありました。

また「関連する商品」が勝手に表示されるので、様々なグッズのデザインや値段を比較しやすいです。私についても、納経帳や輪袈裟はデザイン重視で探し、ネットで購入しました。

Amazonや楽天でセット購入する

お遍路グッズを一つずつ選ぶのが面倒だという場合もネットを活用しましょう。「お遍路 セット」等で検索すれば、お遍路用品をまとめて購入することができます。例えば、以下のような商品があります。

デザインはイマイチですが、ボタン一つで必要なグッズが揃えられるのは便利です。ただし、セットとは言っても、「必要最低限の5点セット」「充実の10点セット」など様々です。自分に必要なグッズかどうかを見極めてから購入ボタンを押すようにしましょう。

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現地の販売所は限定グッズが購入できる

お遍路グッズを購入するとき、札所限定の商品はネットでは購入できません。例えば56番札所では、痛みにご利益のある「千枚通」が売られていますが、これは札所の売店でしか購入できません。

これ以外にも札所限定の商品は沢山あります。そのため、札所を参拝したときには併設された売店に足を運ぶのも楽しみの一つになります。

また売店によっては、お遍路初心者に優しい場所もあります。例えば、以下は第88番札所・大窪寺の門前の売店になります。

このように、分からないことがあれば、丁寧に教えてくれます。ただし注意点もあります。大型連休の場合は混雑しているため丁寧な接客が難しい時間帯もあります。また宗教的に間違った考えを改められることもあります。例えば、以下は第1番札所・霊山寺の売店に対する口コミになります。

こうした会話は、世界観の違いを勉強するのに良い機会ですが、それが面倒だと感じるならネット注文にしましょう。

お遍路初心者に必須アイテム

お遍路の準備をするとき、事前に準備しておくべきグッズを紹介します。初心者であっても、これらを準備すれば立派なお遍路さんになれます。

また一例としてスタンダードなグッズを調べて、楽天とAmazonのリンクを掲載しました。デザインや金額を比較する場合リンクから関連商品を探してみてください。

白衣(びゃくえ)

多くのお遍路さんは白衣を着て札所を参拝します。車遍路やバスツアーでも白衣を着るのが一般的です。白衣を選ぶとき、長袖と半袖のどちらにするかを選びましょう。またMサイズやLサイズを選ぶことができます。

デザインの違いは少なく、素材の違いによって値段が異なります。例えばUV(紫外線)カットの加工がされた白衣は値段が高くなります。

白衣を購入するときの注意点として、四国八十八か所のものを選ぶ必要があります。例えば以下の白衣は西国三十三ヶ所巡礼用の白衣なので購入してはいけません。

白衣を購入するとき御朱印用白衣を購入しないよう気をつけましょう。これは着るものではなく、ご朱印を書いてもらうための白衣になります。白衣の購入については、注意点がたくさんあるので以下のページを参考にしてください。

輪袈裟(わげさ)

お遍路さんの中には、白衣の上から「輪袈裟」を身につけている人もいます。そもそも、輪袈裟は僧侶が着ている袈裟の略式版であり、参拝時に正装となります。イメージとしてはビジネスマンが正式な場所でネクタイを着けるのと同じです。

輪袈裟を購入するとき、色を選ぶことができますが、これは好みの色で問題ありません。本来の意味は、僧侶の階級に応じて色分けがされているのですが、それは僧侶での事情であり、一般のお遍路さんにとっては関係ありません。

輪袈裟を選ぶときは文字に注意が必要です。例えば「四国八十八ヶ所 南無大師遍照金剛」の文字が入った輪袈裟はお遍路専用の輪袈裟になります。もし、西国三十三箇所や秩父八十八ヶ所などを参拝する予定のある方は無地の輪袈裟を選ぶといいです。

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納経帳(ご朱印帳)

御朱印は札所に納経した証として頂けるものです。読経や、写経を納めた証明書ということになります。四国八十八ヵ所用の納経帳を準備すれば、1冊の本に八十八ヵ所のまとめることができ、キレイになります。

納経帳は表紙のデザインが豊富なため、ネットで調べるといいです。ただし、四国八十八ヵ所専用のノートにしましょう。そうしなければ、ページが足りなくなったり、余ったりすることになります。

また逆打ち用の納経帳が欲しい場合は「納経帳 逆打ち 八十八ヶ所」と検索して調べると通常とは逆順の納経帳が検索結果に出てきます。

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納札(おさめふだ)

札所では本堂と大師堂を参拝し、それぞれに納札を供えます。納札はその名の通り寺院に納めるお札のことです。納札を本堂や大師堂に納めることで、参拝したことを仏様に伝えるという意味があります。

納札には住所、氏名、参拝年月日を記入するため、事前に書いておくことをオススメします。そのため、ネットで購入し、届いたら記入しておきましょう。そうすることでスケジュールに余裕を持たせることができます。

なお色付きの納札も販売されています。これはお遍路を回った回数によってランク付けされており、1〜4回は白色、5回以上は青色などと決まっています。そのため、初心者は白色の納札を購入するようにしましょう

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ローソク、線香、マッチ、ライター

札所では本堂と大師堂を参拝し、それぞれにローソク1本と線香3を供えます。88ヵ所トータルで考えるとローソクは176本、線香は528本必要になります。ローソクやマッチについては、どこの売店でも購入でき、デザインの違いも少ないため、現地調達でも問題ありません。

ただし、ライターについては便利グッズも多数あるのでネットで探すのをオススメします。例えば、風よけのついたライターもあります。

札所でローソクや線香を供えるとき、風が強くて火がつかないことがよくありますが、このライターを持っていれば、一発で火をつけられます。そうすることで、後に並んでいる参拝者に迷惑をかけずに済みます。

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歩き遍路に必要なお遍路グッズ

ここまでは一般的なお遍路グッズについて説明してきました。ここからは「歩き遍路」をする場合に便利なグッズについて説明します。

金剛杖(こんごうづえ)

金剛杖を突いて歩くと足の負担が軽減されてマメを予防し、歩行に必要なエネルギーを節約してくれます。また、草むらを杖で突いてマムシを追い払うことや、野犬と戦うための武器としての使い方もあります。そのため歩き遍路には必須です。

金剛杖を購入すると、柄の部分にはカバーがついています。そのカバーを取ると卒塔婆を模した形に加工されていることに気づきます。梵字で「地・水・火・風・空」の五文字が書かれた五輪卒塔婆が表現されています。

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菅笠(すげがさ)

歩き遍路をするとき、菅笠も必須アイテムとなります。雨や日差しから守ってくれたり、山道ではハチやクモの巣からも守ってくれたりします

また四国八十八ヶ所の菅笠には「迷故界城 悟故十方空 本来無東西 何処有南北」という漢詩が書かれています。この句は真言宗や禅宗式で葬式を行う際に棺桶の上に吊り下げられる文字として使われていました。意味としては以下のようになります。

色々と迷っているために三界(欲界、色界、無色界)に閉じ込められている。ところが、悟りの境地に来ると、あらゆる方向に何もないことに気づく。方角は人間が決めたもので、元々は東西などなかった。南北も何処にもあるはずがない。

ネットで購入する場合は文字の入った菅笠を購入するのが良いです。また、アタッチメント(あご紐)とセットで販売される商品もあります。

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歩き遍路専用の地図

歩き遍路をする場合、へんろみち保存協会が発行する地図「四国遍路ひとり歩き同行二人[地図編]」は必ず購入しましょう。この地図には1番札所から88番札所までのルートを示しているだけではなく、お遍路さん目線で次のような内容が大量に収載されています。

  • 宿情報(住所、電話番号)
  • 宿坊情報(住所、電話番号)
  • 休憩所(ヘンロ小屋)
  • 温泉
  • 移動距離

多くのお遍路さんは、昔ながらの遍路道を通って歩き遍路をします、お遍路は基本的に自由で、どのルートを通って参拝しても問題ありませんが、昔ながらの遍路道を通ることで、数百年前のお遍路さんも歩いた道を先人たちに思いをはせることができます。そうしたルートも地図に記載されています。

同じ地図をもって、同じルートに従ってお遍路をすることで、他のお遍路さんと会える確率が高まります。次の札所という共通の目的地を持っているので一緒に遍路道を話しながら歩く光景をよく目にします。

この地図はへんろみち保存協会のホームページでの通販、あるいは札所の売店での販売しかありません

まとめ

お遍路用品を身につけると、すぐに「お遍路さん」になることができます。その結果、お遍路さん同士で交流のきっかけになったり、地元の人からお接待を受けやすくなります。こうした効果は想像以上に大きいので、ぜひ白衣などを着用して巡礼しましょう。

購入方法は前述の通りネットでの購入がオススメです。値段や口コミ、類似商品を比べながら購入することで納得のいく買い物ができます。