11月中旬から2月下旬にかけて四国ではダルマ朝日という神秘的な光景を見ることができます。ダルマ朝日とは水平線から登る太陽がΩ(オメガ)の形に見える現象を指します。
綺麗なダルマ朝日は毎日見られるわけではありません。ダルマ朝日が現れるための条件をすべて満たす必要があるのです。ダルマ朝日を見るための条件は次のようなものがあります。
・観測場所
・日の出の方角
・天候
・気温
ダルマ朝日を観測する場所
ダルマ朝日は日の出の方向が水平線である必要があります。地平線から登る太陽や、遠方に陸地が見える場所ではダルマ朝日を見ることはできません。
なぜなら、ダルマ朝日は太陽光が海面に反射し、海面が鏡のような役割をするために発生する現象だからです。
太陽は東から登るので水平線から登る太陽を見るためには、東海岸が絶好の地となります。四国では徳島県の海岸沿いであれば、広い範囲でダルマ朝日を観測することができます。オススメスポットは徳島市の吉野川の河口にある阿波しらさぎ大橋です。
日の出の方角が重要
ダルマ朝日を見に行く前に、必ず日の出の方角をチェックしてください。季節によって日の出の方角は異なるためです。太陽が真東から登るのは春分と秋分の年に2回、夏は北寄りに、冬は南寄りに変化します。
そのため、時期によっては日の出の方向に島や陸地が重なってしまうことがあります。そうなるとダルマ朝日を見ることはできません。
以下のサイトで日の出の方向を調べましょう。
日の出・日の入り、月の出・月の入り、時刻と方位の計算
ダルマ朝日を見られる天候
当然ながら、曇りや雨が降っていてはダルマ朝日が隠れてしまいます。観測日の朝の天気予報が雨なら、まず観測は諦めましょう。観測地点が晴れていても日の出方向が数100kmに渡って晴れていなければダメです。
観測前日に天気予報を確認しなければなりません。観測地点から日の出の方角が、広く高気圧に覆われている状況がねらい目です。
また、風も重要なファクターとなります。風が強すぎて波立っている場合は綺麗なダルマ朝日が見られないことがあります。前述のとおり海は鏡の役割を果たし、穏やかな海であるほど太陽光をキレイに反射するからです。
ダルマ朝日を見られる気温
ダルマ朝日は冬の寒い朝に観測できることが多いです。ダルマ朝日は海面に反射した太陽光が蜃気楼と同じ現象で屈折するために起こります。
屈折現象が起きるためには海面付近の気温と上空の気温に大きな差が必要です。上空の冷たい空気と海面の暖かい空気の2層で屈折率が異なるために発生します。
そのため、ダルマ朝日を観測するときは蜃気楼も同時に観測できることが多くあります。浮島や空を進む船などが見られます。