普段と環境の異なる旅先で、不眠に悩む人が多くいます。また、高速バス、夜行列車、フェリーなどでも夜眠れずに旅の日程に影響が出るかもしれません。そんな状況を防ぐためには睡眠改善薬を使用すると便利です。
エスエス製薬のドリエルは「寝つきが悪い・眠りが浅い」といった一時的な不眠症状の緩和に使用される第2類医薬品で、ドラッグストアやインターネットで購入できます。
ドリエルの使用方法は寝る前に決められた用量を服用します。ドリエルに含まれるジフェンヒドラミンという成分により眠気が発生する仕組みです。
不眠の薬と聞くと依存性や過量投与による自殺といった負のイメージを抱くかもしれませんが、ドリエルは比較的安全な第2類医薬品に分類され、一般的な睡眠薬と全く種類が異なります
そのため、購入する際に医師の処方せんや薬剤師による指導は不要で、自己判断で入手することができるという特徴があります。
睡眠改善薬と睡眠薬の違い

  睡眠改善薬 睡眠薬
代表例 ドリエル デパスなど
成分 ジフェンヒドラミン ベンゾジアゼピン系
分類 第2類医薬品 医療用医薬品
処方せん 不要 必要
薬剤師の説明 不要 必要

睡眠改善薬(ドリエル)と睡眠薬(デパスなど)には上記のような違いがあります。まず、含まれる成分に大きな違いがあります
ドリエルに含まれるジフェンヒドラミンは鼻炎や蕁麻疹などのアレルギー症状に使用される薬の成分と同じで、販売の歴史も古く危険性の低い薬物として知られます。
抗アレルギー薬を服用したことのある方なら、眠気という副作用を知っているはずです。ドリエルは抗アレルギー薬の副作用を応用した薬なのです。
一方、多くの睡眠薬に含まれるベンゾジアゼピン系という成分は比較的安全な薬ではありますが、依存性という大きな問題があります。
薬が無いと眠れなくなる、癖になるという状況を専門用語で反跳性不眠と呼びますが、このような副作用に陥らないために医師や薬剤師による判断が必要です。
使用できない人
お手軽な睡眠改善薬といえども、副作用がゼロではありません。次の項目に当てはまる方は使用できないので注意しましょう。
・妊婦さん
・15歳未満
・日常的に不眠の人
・不眠症の診断を受けた人
・運転や機械の操作をする人
・授乳中の人
・飲酒中の人
・他の催眠鎮静薬、かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤を含有する
内服薬等(鼻炎用内服薬、乗物酔い薬、アレルギー用薬等)を服用中の人
妊婦さんや15歳未満の人は胎児や自身の体に対して安全性が確立されていないので服用できません。ドリエルは旅先など一時的な状況においての不眠に対して使用する薬で、慢性的な不眠のある方には適応できません。
また、かぜ薬などにはドリエルと同じ効果を示す成分が含まれることがあり、同時に服用すると効果が強く現れる可能性があります。
気になることがあれば、薬剤師に相談して購入するかどうか決めることをお勧めします。