レンタカーは普段運転しない車なので、それだけ事故を起こしやすくなるでしょう。そういう意味では普段運転している人でもいつも以上に慎重になる必要があります。
さらに、レンタカーの場合、ペーパードライバーが運転することも多いでしょう。その場合はなお一層慎重になる必要があります。
そのように慎重になることで事故を起こさないようにすることが第一ですが、結果的に事故を起こしてしまうこともあるでしょう。その場合はどうすればよいのでしょうか。
負傷者の救護
事故を起こすと気が動転してしまいがちでしょうが、ここは初心に返って教習所で習ったことを思い出して下さい。
事故を起こした場合、まず行わなければならないのは負傷者の救護、事故の続発防止です。負傷者を安全な場所に移動させ、応急処置をします。その後、救急車を要請します。
ここで、もしあまり大した怪我のように見えなくても、救急車を要請したほうがよいでしょう。後で症状が出てくる場合もあるからです。
警察に連絡、店舗に連絡
続いて、必ず警察に連絡してください。もし、事故の程度が軽く傷やへこみなどの軽い事故であっても同じです。これは、警察に事故証明を発行してもらうためです。
どんなに軽い事故であっても、これがないと保険の適用にならず、修理代金の全額を自分で負担することになってしまいます。
事故としては軽いものであっても、修理代金としては決して安くないものになる可能性は十分にあるわけですから、面倒がらずに行いましょう。そして、借りた店舗に連絡してください。ここまでが事故を起こしたときの流れになります。
レッカー車などでの事故車の処理はレンタカー会社が手配してくれることが多いので、電話で事故の詳細を伝え、その後の処置を聞きましょう。
レンタカーの保険
レンタカーの場合、基本的には代金の中に保険料が含まれています。会社によって多少の差はあるかもしれませんが、事故の損害額のうち、一定の金額を越えた分については全て保険でまかなわれるようになっており、ドライバー本人に大きな負担がかかってくることのないようにしています。
しかし、あくまでも一定の金額を越えた分だけであり、言い換えればその一定の金額まではドライバーの自己負担になります。
この一定の金額を免責額と呼び、事故の種類にもよりますが5万円から10万円程度に設定されていることが多いです。
これは、この程度の金額であればドライバーも自己負担できるだろうという意味と、このような金額まで保険で負担することにしては保険会社の負担、ひいては保険料負担が大きくなり過ぎるという意味とがあります。保険料を安く抑えるかわりに、この程度の金額までは自分で支払ってくださいということです。
免責補償制度CWD
しかし、それこそ普段車の運転しないような人のように、多少保険料が上がってもよいからこの免責額をなしにして欲しいと考える人もいます。
そういう人のために、CDWと呼ばれる制度が用意されているレンタカー会社もあります。CDWとは、免責額補償制度のことで、事故を起こしたときの5万円や10万円といった免責額、つまりドライバーの自己負担額についても保険で補償しますという制度です。
その分だけ、別途保険料を支払う必要があります。CDWについては不要と考える人もいるので全ての人に必須ではなく、必要とする人だけが選択できるオプションとなっていることが普通です。ただし、キャンペーン料金等では、このCDWも含んだ料金設定となっていることもあります。
ノンオペレーションチャージ補償NOC
レンタカー会社は、壊れた車を修理してもらえるだけでは会社として十分ではありません。修理の間、その車は貸し出せないからです。その分の費用は別途請求されることになり、これをノンオペレーションチャージと呼びます。
ノンオペレーションチャージ補償(NOC)に入るとそれが免除されますが、事故をした際は必ず警察と店舗に連絡が必要です。
青森で起きた苦い思い出
私はレンタカーで青森県を旅行中、ブロック塀に接触し車体に傷を付けてしまいました。しかし、保険や補償にはすべて加入しているという甘い認識で、警察や店舗に連絡しませんでした。事故という感覚が全くなかったからです。
しかし、レンタカーを返却した際、次のように言われました。
お客様はCWDやNOCに加入されておりますが、警察と店舗に連絡がなかったので補償することができません。
そして2万円を請求されました…。
自損事故でも軽い事故でも必ず警察と店舗に連絡をしましょう。