四国八十八ヶ所を巡るお遍路は1日で完了することはできません。車では10日、歩きでは40日が平均的な日程の目安になります。
このような長期間の旅となるので、民宿に毎日泊まると多くの旅費が必要となります。そこで、お金に困るお遍路さんをサポートするため四国には無料の宿泊所があり、通夜堂や善根宿と呼ばれます。
通夜堂や善根宿はお遍路さんを対象とした無料宿で、お接待の一環として提供されます。お接待とはお遍路さんに対する無償の施しの事で、弘法大師に対するお供えでもあります。
つまり、通夜堂や善根宿は宿泊サービスではありません。そのため、泊まる際は丁寧にお願いしなければなりません。連絡をする時間帯にも配慮しましょう
当然ながら、宿泊後はお礼を言います。それだけでなく、部屋の掃除や、主人の手伝いなどを買って出るお遍路さんもいます。
通夜堂とは
参拝者のために八十八ヶ所の札所や別格札所などの寺院が、宿泊場所を善意で提供しているところがあります。このような場所は通夜堂(つやどう)と呼ばれます。
通夜堂は境内の一角にある建物で、ほとんどの場合は屋根と毛布がある程度です。通夜堂は寺院で管理されているため、寺院関係者に宿泊の許可を取って利用しましょう。
善根宿とは
お遍路さんのために地元の人が、宿泊所を善意で提供しているところがあります。このような場所は善根宿(ぜんこんやど)と呼ばれています。
善根宿はプレハブ小屋や立派な建物など様々な建物があります。善根宿は個人で管理されているため、管理者に許可を取って利用しましょう。
無料宿泊所の情報について
寺院が管理する通夜堂であれば、寺院に問い合わせることで確認できます。また、へんろみち保存協会による「四国遍路ひとり歩き同行二人[地図編]」に通夜堂情報は記載されています。
善根宿無について情報を知りたい場合は四国で情報収集を行ってください。ネットやSNSで公開される情報は信憑性が低い場合が多いのです。
なぜなら、善根宿は個人が無料で提供するため、短期間のうちに宿の提供を止めている可能性があるためです。
また、情報公開をするとお遍路さんを装うホームレスが集まることを懸念する管理者もいるので、ネットに新しい情報は公開されにくいのです。
無料宿を利用する際は、お遍路さんはお客様ではないことを自覚しましょう。