あなたの部屋は散らかっていませんか?
洗濯物が放置されていたり、本が山積みになったりしている環境に身を置いていると、心まで散らかってしまう危険性があります

部屋は絶対にキレイにした方がよい

特に、一人暮らしの学生の部屋は散らかりやすく、その部屋には自分しか住んでいないし、少々散らかっても注意する人はいません。また、こまめに掃除をするのも面倒なので、ついつい部屋が散らかってしまいます。
しかし、このような部屋に住んでいると、前述の通り心まで散らかってしまいます。例えば、生活リズムが乱れたり、パチンコ・スロットを毎日打ちに行ったりするようになるかもしれません。現に私はそうなりました。
では、部屋を片づける事にどんな影響があるのか。部屋を片付けることに、全く意味がないと思うかもしれませんが、そんな事はありません。次のような事例があります。

周りの環境が人の心に影響を及ぼす

ニューヨークの犯罪率

1980年代のニューヨークは年間に殺人事件が2000件以上発生する程の危険な町でした。しかし、2000年代では数百件と大きく減少しています。その他の重罪事件発生数も軒並み減少しました。
ニューヨークの犯罪の減少はなぜ起こったのか。警官の数を増やし、大きな罰金を科したのか?実は、重罪事件に対する対応より落書きや無賃乗車、万引きなどの軽い犯罪に力を入れたのです。
この重罪事件の減少には「割れ窓理論」と呼ばれる理論が関与しています。割れ窓理論とは、建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される事から名付けられたものです。
つまり、ニューヨークの環境を変えたのです。落書きをする人や無賃乗車をする人で溢れていると、自分もその程度なら問題ないという意識が生まれてしまいますが、そのような環境でなくなると、なんとも犯罪ができない雰囲気が形成されるのです。
環境を変えることで殺人事件などの凶悪事件の数を減らすことに成功しました

スタンフォード監獄実験

環境が人の心に影響を及ぼす例として有名な例がもう一つあります。1971年に行われたアメリカのスタンフォード大学心理学部で行われた「スタンフォード監獄実験」です。
この実験では、実験に参加してくれるボランティアを募集して、参加者をランダムに囚人と看守に半数ずつに分けました。そして、囚人は大学内に作られた独房に収容され、看守はそれを監視するというもので、囚人には囚人服を、看守には制服を着させて、リアルな環境を作り上げて数日間実験を続けました。
すると、看守役は誰かに指示されるわけでもなく、自ら囚人役に罰則を与え始めました。夜中に腕立て伏せをさせたり、暴言を浴びせたりしました。その後、実験は予定より早めに中断することになりました。
もともと凶暴な性格ではなかった人でさえ、看守役というシチュエーションを与えられると、看守らしくなってしまうということが判明したのです。つまり、自分の置かれている状況によって人は簡単に変貌してしまうのです

自分のいる環境を整える

人の心理が周囲の環境や条件によって影響されることは実際の事例や実験から明らかになっています。ここまで読んだ方は、冒頭に散らかった部屋に住んでいると心が乱れてしまうと言った意味が分かると思います。
したがって、自分をより良い環境に置くことが重要です。つまり、部屋を片付けることは自分のいる環境を整える第一歩となります。また、自分から良い環境を求める事も必要です。大学ではレベルの高い研究室・ゼミに入ること、などが当てはまるでしょう。