人との付き合いを広く浅くすべきか、狭く深くすべきか悩むことがあります。
広く浅くを重視するといざと言う時に自分を助けてくれる人がいるだろうか?と思い、狭く深くを重視するとその関係が崩れたら孤立してしまうと怖がるかもしれません。
結論からお話しすると、どちらも重要です。どちらか一方ではありません。狭い付き合いが苦手な方は信頼できる人を作り、広い付き合いが苦手な方は様々な人に会ってみる努力をすることが必要です。

学生は狭く深くなりがち

深い人間関係は大切です。一生信頼できる親友、恋人、先生がいるだけで、楽しさや安心感が生まれます。ただ、学生生活での人間関係は狭く深くなる傾向にあります。
特に、同じ学校に通っている場合は、同じ時間に登校し、同じ授業を受けて、食堂で同じメニューのランチを食べるというように、自分と似た人間と付き合っていることになります。そのため、いつも一緒にいるメンバーは一緒に過ごす時間が長くなり深い部分まで知り合う仲になるはずです。
実際、本音を言い合えるような親友を持つことは大切です。その親友の存在で楽しい時間を過ごせたり助けられたりすることが必ずあるからです。
しかし、狭い範囲の人間関係だけで満足していては視野が狭いなどと言われてしまいます。親友はあなたが知らないことをどれだけ知っているでしょうか?冒頭でも述べたように、広い範囲の人間関係も重要なのです。

広く浅い関係のメリット:なぜ視野を広げるか?

広く浅い人間関係を構築することは、視野を広げることにつながります。視野が広がると自分の考えの幅が広がり、凝り固まった頭がほぐれていきます。また、思いがけない出会いやチャンスに恵まれる可能性が高まります
広い人間関係を築く方法は、積極的に外の世界に出かけていくことです。そこで多くの人と話し、自分を認識してもらいます。
また、全員と親密な関係を築く必要はありません。浅い人間関係とはFacebookで1年に1回の誕生日メッセージを送る程度でもコネクションが形成されています。そうすると、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」と言われますが、薄いコネクションが深い絆になることもあります。
コネクションがあれば、魅力的な仕事が舞い込んで来たり、美女との出会いが叶ったりする可能性が高まるのです。
その理由は、異分野の人にとって見れば、あなたはその分野の代表者として見られるからです。例えば、ある美女グループがA大学の学生と合コンを開きたいと思えば、A大学の知り合いに連絡するはずです。美女グループから見ればその知り合いがA大学の代表者ということになります。
広い人間関係を築くと、自分の世界とその他の世界とをつなぐハブのような存在になることができます。そうすることで、様々な情報が自分に集まり、チャンスや出会いにつながるのです。

スモール・ワールド現象

「自分→知人→その知人→そのまた知人…と繋げていくというルールで、6人を介すると世界中の誰にでも繋がることができる。」という話を聞いたことがあるでしょうか。
これは「スモール・ワールド現象」と呼ばれる仮説です。この仮説は次のような実験から生まれました。
アメリカのネブラスカ州のオマハの住人のうち、160人に対してマサチューセッツ州のシャロンに住むAさん人に手紙を渡してほしいと頼みました。
Aさんの名前、住所、職業(株式仲買人)は書いてありましたが、Aさんに直接送るのではなく、手紙を送るのは自分の知人や友人でなければならないという条件が付けられました。このルールを繰り返して、知人、その知人と介して手紙を送ったのです。
その結果、Aさんに届いた手紙のほとんどは5人か6人を介して届いているということが分かりました。また、Aさんにたどり着く直前の人間は共通する人物で、上で述べたようなハブの役割をする人物が存在することが分かったのです。シャロンに住み、株に関係のある人と言えばこの人と言える人に手紙が集まったのです。

異世界に飛び込む

学生の時期は狭い人間関係に慣れているため、異分野の人と会話する機会が少なく、自分から飛び込める勇気もないかもしれません。
そこで、ちょうど良いものがあります。それは、もちろん当サイトのテーマである四国八十八ヶ所、お遍路の旅です。特に歩き遍路では次の寺を目指す際は皆同じ道を通るため、知らないお遍路さんと話しながら歩くことが多々あります。
そこでは、普段1対1で話すことのできない人と長い時間会話することができます。実際私は、Facebookを登録、連絡先を交換するということもありました。
その中には、世界中を旅するバックパッカー、マレーシア人、東北大震災で被災した方、会社の経営者、死ぬ準備をしているという高齢者など多様なお遍路さんがいました。
寺を巡るだけだと思っていたお遍路ですが、人との出会いも醍醐味の一つです。